オリエンタルポピー

オリエンタルポピーの花
写真 オリエンタルポピー
撮影時期 2008.5.6
栽培状況 秋まき後、庭植え

科名・属名

ケシ科
ケシ属

園芸分類

宿根草

別名

オニゲシ

原産地

西南アジア

用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【オリエンタルポピーについて】

オリエンタルポピーは、西南アジア原産のケシ科ケシ属の宿根草で、ポピーの中でも花が大きく豪華です。ただし、アイスランドポピーは、秋に播いて春に開花しますが、オリエンタルポピーは、秋まきにすると、通常の栽培では開花できるほどには育ちません。

それでも、宿根すればよいのですが、耐暑性が弱く、関東以西の温暖地では夏にほとんど枯れてしまいます。また、春に播いても夏越しが容易ではありません。こうしたことから、温暖地での栽培にはあまり適していません。

一方、寒冷地では容易に宿根し、本来の豪華な花が楽しめますので、オリエンタルポピーは寒冷地向きの宿根草と言えます。

【栽培メモ】

秋にタネを播いて春に開花させるには、できるだけ株を大きくする必要がありますので、農ポリでトンネルにして栽培したところ比較的よく育って、上の写真のように、一部ではありますが、なんとか花を見ることができました。

宿根させるのは困難だと諦めていましたが、2020年の秋にタネを播いて開花しなかった株の中で、3株が秋になって芽を出してきました。夏の間、雑草が株の上を覆っていたのがよかったのかも知れません。

【オリエンタルポピーの概要】

オリエンタルポピーの花

草丈

60〜80p程度になります。

花弁は4〜6枚で、花茎の先に径10〜15p程度の大輪の花を咲かせます。基部に大きな黒い班があるのが特徴です。

花色は、白、淡紅色、深紅色、橙色などがあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 弱い

耐寒性は強く、戸外でそのまま越冬します。逆に、高温多湿に弱く、温暖地では宿根できません。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:(温暖地では)かなり難しい

※ 苗から育てる場合:比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Papaver orientale

学名の説明

Papaver・・・・・papa(おかゆ)に由来する古名から。
※ ケシ属の乳汁に催眠作用があるため、乳汁を粥に混ぜて子供を寝かしたことに由来すると言われています。

orientale・・・・・「東の」、「東方の」

【主な種類と品種】

‘ウォーターメロン’

オレンジが買った赤の品種です。

‘ピコティ’

白地にオレンジの覆輪が美しい品種です。

‘フラミンゴ’

白地に橙色の覆輪、丈50p

‘クレインタンゼリン’

きれいな淡桃色に赤黒の斑が入ります。丈60p

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 宿根させるには、夏場、涼しい環境を維持しなければなりません。

タネまき

タネを播く時期は9月中旬から10月中旬です。育苗箱に播いて、早めにポリポットに植え替えてもよいですし、ポリポットに播いてもかまいません。ケシ粒と表現されるようにタネは小さいですが、よく発芽します。覆土は不要です。

育苗箱に播いた場合は、本葉が2〜3枚のころにポットに植え替えます。ケシ科の植物は移植を嫌うとされていますが、苗が小さいうちに丁寧にポットに取れば問題ありません。ポリポットに播いた場合は、間引きして丈夫な苗を残こします。その後は、薄めの液肥を与えながら苗を育てます。

植え付け

花壇に植える場合は、1週間ほど前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて耕しておきます。

タネから育てた苗は、ポットの底に根が回ったら花壇に定植します。腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植え付けます。

種苗会社の秋のカタログなどに苗が掲載されていますので、これを買って植えつけると、温暖地でも1年だけなら比較的容易に花を楽しむことができます。

オリエンタルポピーの花

植え場所

日当たり、水はけのよいところに植えつけます。ただし、宿根させる場合は、花後に日陰になるようなところが適しています。

株間

大株になるので40p程度とします。一年草と割り切るなら30pほどでも差し支えありません。

日常の管理

花が終わったら早めに花茎を切り取っておきます。

夏の管理

関東以西の温暖地では夏越しは容易ではありませんが、苗の状態なら、夏場、日陰の涼しい環境を維持できれば宿根する場合があります。ただし、開花した株の夏越しは困難と言えます。

冬の管理

耐寒性が強く、本来、霜除けをする必要はありません。ただし、秋に播いて、春までに開花するだけの充実した株にするには、不織布でトンネルをするなどして冬も生育させる必要があります。

オリエンタルポピーは、開花に低温は必要ありませんので、この点は気にする必要はありません。

肥料

本来、肥料はあまり必要としませんが、秋まきにして翌春に花を咲かすにはある程度の肥培管理が必要です。

そこで、1u当たり50g程度の化成肥料を庭土と堆肥に混ぜて植えつけます。チッソ肥料の過多は避ける必要があります。

病気・害虫

高温多湿になると灰色かび病にかかりやすくなるので、ベンレートなどで予防します。

害虫としては、アブラムシがつくことがあります。

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