ハボタン(葉牡丹)

ハボタンの花
写真 ハボタン
撮影時期 2020.2.2
栽培状況 夏播き後、庭植え

科名・属名

アブラナ科
アブラナ属

園芸分類

夏まき一年草

別名

ボタンナ

原産地

ヨーロッパ

用途

庭植え、鉢植え

花期

11〜3月

【ハボタンについて】

ハボタン(葉牡丹)は、地中海から中近東が原産の野菜のキャベツ(B. oleracea)を観賞用に品種改良したもので、アブラナ科アブラナ属の夏(秋)播き一年草です。

冬の花壇や寄せ植えに欠かすことのできないものですが、江戸時代以降日本を中心に品種改良が進められ、多くの品種が作り出されています。品種は、大きく分けると東京丸葉系、名古屋縮緬系、大阪丸葉系の三つに分けられています。

花壇に植えて楽しむのが一般的ですが、種苗会社のカタログを見ると切花用の高性種や鉢植え、プランター栽培に適した小型の品種など、たくさんの品種があります。

【栽培メモ】

温暖地の場合でも遅くても8月中に播く必要がありますが、遅くなりすぎて貧弱な株になったことがあります。やはり、適期に播くことが肝要です。

上の写真は、8月下旬に播いたものですが、生育はよく順調に育ってくれました。ただし、アオムシ等の防除に手が回らず、かなりやられてしまいました。

【ハボタンの概要】

ハボタンの花

草丈

20〜80pになります。

鑑賞の対象となる葉は、白色 赤色 赤紫色などがあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 弱い

耐寒性が強く、秋の寒さで着色します。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

タネから育てる場合:比較的やさしい

苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Brassica oleracea var. acephala

学名の説明

Brassica・・・・・キャベツの古ラテン名に由来します。

oleracea・・・・・「食べられる」、「畑で栽培の」

acephala・・・・・「頭花のない」

【主な種類と品種】

東京丸葉系

江戸時代から東京で品種改良されたもので、キャベツに似て葉が平たく、縁に切れ込みがありません。

名古屋縮緬系

東京丸葉系に縮緬性のケールを交配したもので、葉の先が細かい波状に縮れています。

大阪丸葉系

東京丸葉系と名古屋縮緬系を交配したもので、葉が軽く波打ち両者の中間的な葉形をしています。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ アオムシやヨトウムシの防除を怠らないようにします。

タネまき

秋の低温で発色することから、それまでにある程度の大きさの株に育てる必要がありますので、7月下旬から〜8月中旬ごろがタネ播きの適期です。関東以西の温暖地でも8月中には播くようにします。

ハボタンの花

暑い時期のタネ播きとなりますので、必ず清潔な用土を使います。育苗箱に、5cmほどの間隔で点播きし、覆土は3〜5mm程度にします。発芽するまでは日陰に置きますが、発芽し始めたら徐々に日に当て、徒長しないよう注意します。

発芽後、本葉が2〜3枚になったら7cm(2.5号)のポリポットに植え替え、1週間に1回程度液肥を与えながら苗を育てます。

植え付け

ポットの底に根が回ったら、花壇やプランターなどに定植します。

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけの前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて庭土に混ぜておきます。

植え付けの際は、腐葉土もしくはバーク堆肥を1u当たり10Lと化成肥料を1u当たり30gほど入れて、庭土を深さ30cmほど耕してから植えつけます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土もしくは赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。

鉢やプランターに植えた場合も、日当たりのよいところに置いて育てます。ただし、観賞時は室内で管理してもかまいません。

株間

大株は25〜30p程度、小型種は15p程度を目安にします。

日常の管理

植えつけ後は、たっぷりと水やりし、根が定着したら控えめにします。鉢植えの場合は、表土が白く乾いたら十分に与えます。

傷んだ下葉は早く取り除いて、きれいな株を維持していきます。

ハボタンの花

冬の管理

耐寒性が強く戸外で冬を越しますので、霜除け等の必要はありません。

肥料

鉢やプランターで育てる場合は、元肥の他に生育中に緩効性の固形肥料を与えるか、液肥を定期的に与えます。

10月になったら肥料を与えないようにします。遅くまで肥料を与えると発色が悪くなります。

病気・害虫

ヨトウムシやアオムシが発生しやすいので、定植時にオルトラン粒剤を撒いておくと被害が少なくなります。また、雨がよく降るとベト病が発生することがあります。

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